平成23年12月の税制改正において、税務調査手続の明確化等を内容とする国税通則法等の改正が行われ法定化されました。
1.税務調査手続きの流れ
税務調査における事前通知や調査終了などの手続きは、これまで、通達等に基づき実施されておりましたが、今回の改正により法定化されました。
2.主な改正内容
下記改正は、平成25年1月1日以後に新たに納税者に対して開始する税務調査について適用されます。ただし、(6)「帳簿書類の預かり」については、税務調査の開始時期にかかわらず平成25年1月1日以後に行う場合に摘用されます。
(1)事前通知
税務調査に際しては、原則として納税者に対し調査の開始日時・開始場所・調査対象税目等について事前通知を行うことが明記されました。また、税務代理を委任された税理士に対しても同様に通知されます。
(2)更正決定等をすべきと認められない場合における書面による通知
税務調査の結果、申告内容に誤りが認められない場合や、申告義務がないと認められる場合などには、その旨が書面により通知されます。
(3)調査結果の説明
税務調査において、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、調査結果の内容(誤りの内容、金額、理由)を説明することとなりました。
(4)修正申告又は期限後申告の勧奨
税務調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、上記(3)の説明を行い、その際に修正申告や期限後申告を勧奨することができるとされました。
(5)再調査
税務調査の結果に基づき修正申告書等が提出された後や上記(2)の「更正又は決定をすべきと認められない場合の通知」をした後においても、税務調査の対象とした期間について、新たに得られた情報に照らし非違があると認められるときは再調査を行うことができるとされました。
(6)帳簿書類の預かり
調査担当官は、税務調査において必要がある場合には、納税者の承諾を得た上で、提出された帳簿書類を預かることができるとされました。
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