e−Taxが導入されてから数年が経ち、実務においてもe−Taxで申告された申告書を頻繁に見かけるようになってきています。 平成22年4月に国税庁が発表したe−Taxの利用率によれば利用拡大の重点項目としてあげられた15の手続き全体で45.4%の利用があったとされていますが(ただし、分母は平成20年9月12日に決定した「オンライン利用拡大行動計画」に掲げられた年間平均申請件数を分母として算出されているそうです。)、まだまだ利用されたことが無い方も多いと思います。
平成21年9月より、電子納税の方法としてダイレクト納付手続きが行えるようになっていますので、今回はその内容について解説します。
(1)電子納付の手続き
e−Taxにはその申告・申請を電子手続きで行うものと、その納付を電子手続きで行うものの2種類があり、ダイレクト納付は電子納税に係る一つの手続きとなります。
(2)ダイレクト納付とは
事前に税務署へダイレクト納付の届出等をすることによって、e−Taxでの電子申告や納税情報登録をした後に、WEB上で簡単なクリックをすることで届出をした金融機関から納付することができる方式です。
ダイレクト納付は、ダイレクト納付に対応した金融機関でないと行うことができませんが、別途インターネットバンキングの加入手続きが不要であることと、即時または日時を指定しての納付することが可能である点に特徴があります。
また、取扱い可能な金額も8桁から11桁(金融機関によって変わります。)までと幅があるものの、数千万円の納付にも利用が可能とされていることから、納税額が多い場合にも利用が可能であると考えられます。
(3)メリット
電子納税の方法には、このダイレクト納付の他にインターネットバンキングやATM等による電子納付の手続きがあります。
この場合、納税者は別途インターネットバンキング等への加入手続きをしてID・パスワードを入手しておくか、ATM等へ出向かないといけないのに対し、ダイレクト納付手続きの場合には、納税者がインターネットバンキング等へ加入していなくても利用できることと、また、納付の日時を指定できることもメリットと考えられるでしょう。
ダイレクト納付を行うには、金融機関により届出から20日程度の期間が必要とされていますので、利用を考える場合にはある程度の余裕をもって届出ることが必要です。
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