1.はじめに
早いもので本年も年末を迎える時期になりました。
個人の所得税は暦年(1月1日〜12月31日)を課税期間とするため、年末に税金対策を行うと得になる場合があります。
方法によっては、年末に支払いしても1年分の効果を得られる税制もあります。
平成19年度税制改正を加味したところで、年末に実施すると得する税制に、相続税対策を加えてピックアップしてみました。一度、ご検討をされてみたらいかがでしょうか。
2.年末税務のテーマと具体策
テーマ
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具体策
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将来の蓄え
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@小規模企業共済の加入
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A401K(確定拠出型年金)の加入
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資産の損出し
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Bゴルフ会員権の損出し
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C不動産の損出し(すでに譲渡益が出てる場合)
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次世代へのプレゼント
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D生前贈与(現預金、不動産、株式他年110万円まで)
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E相続時精算課税の活用
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配偶者へのお礼
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F配偶者に対する住宅の贈与(2,000万円まで)
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マイホーム取得・増改築
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G住宅購入による住宅ローン控除特例の活用
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社会貢献
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H寄付による貢献
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3.解説
上記の具体策ごとに簡単に解説します。
@個人事業主又は会社の役員の方が廃業や退職後の生活の安定などに備えるための制度として「小規模企業共済制度」があります。
年払い契約をすれば、今からの契約でも1年分の節税効果が得られます。
Aいわゆる確定拠出型年金です。運用財産は個人ごとに管理され、非課税での財産形成が可能です。
(国民年金加入者が対象)
B現行税制においては、ゴルフ会員権の譲渡損と事業所得や給与所得との損益通算(相殺)が可能です。ゴルフ会員権の譲渡損失に達するまでの所得であれば実質無税となります。
C平成19年度中に不動産の譲渡があり譲渡益が発生している場合で、含み損のある不動産も所有している場合、その不動産を譲渡することで譲渡損を出し、譲渡益と譲渡損との内部通算により節税が得られます。但し、事業所得等との損益通算はできません。
D譲与税は受贈者ごとに年間110万円の基礎控除枠があるので、子供や孫にクリスマスプレゼントとしてキャッシュ等を計画的に贈る方法があります。
E贈与税には、上記の110万円基礎控除との選択制で、相続時精算課税制度を選択することが認められています。
65歳以上の親から20歳以上の子供に贈与した場合に、相続時精算課税を選択すると、2,500万円まで贈与税が非課税となります。相続時精算課税により贈与された財産については、贈与時の価額により相続財産に加算され、納付済の贈与税額は相続税から控除されます。
F婚姻期間20年以上の配偶者に対して住宅等を贈与した場合、贈与税の基礎控除110万円に加え、最高2,000万円相当まで無税での贈与ができます。
G住宅ローンを利用して住宅を購入した場合や一定の増改築をした場合で、合計所得金額が3,000万円以下である等の要件を満たした場合には、年末のローン残高に応じて一定額のローン控除が受けられます。
H本年も地震や台風など天災が多く、たくさんの方が被害を受けられました。
日本赤十字社などを通じて寄付をした場合には寄付金控除の適用が受けられます。平成19年度税制改正において、控除対象限度額が総所得金額の40%に拡大しています。
<寄付金控除額の計算>
特定寄付金合計(総所得の40%が限度)−足切額5,000円 |